2022年07月19日10時00分

JR西日本、山陽新幹線の指定席を値上げ コロナ禍の厳しい経営状況を浮き彫りに

JR西日本は2022年7月13日、山陽新幹線(新大阪-博多)の指定席特急券(グリーン車を含む)の値上げを発表した。対象となるのは速達タイプの「のぞみ」と「みずほ」。2023年4月1日購入分から適用される。

なお、自由席特急券、オンライン予約(エクスプレス予約、e5489)を利用した発券の場合は値上げの対象とはならない。

「のぞみ」は東海道新幹線との直通により東京-博多、「みずほ」は九州新幹線との直通により新大阪-鹿児島中央で運行されている。

今回の値上げはJR西日本の厳しい経営状況を反映している。

新型コロナウイルスの感染拡大により鉄道事業者は大きな痛手を被った。JR各社も例外ではなく、優良企業の本州3社も2020年度に赤字に転落した。

しかし、その中でもドル箱の東海道新幹線を運行するJR東海、首都圏の巨大なマーケットを抱えるJR東日本に比べ、JR西日本には目立った柱がなく、中国地方に数多くの赤字ローカル線を抱えており経営に余裕がない。

JR西日本は先日、管内の赤字ローカル線の収支を発表した。詳細な数値の公表は初めてのことで、改めて同社が苦しい状況に置かれていることが明らかになった。収支の公表は直ちにJRからの切り離しや廃線を意味するものではないが、沿線の自治体や住民は「廃止前提」と受け止めるところも多く、動揺と反発を引き起こしたばかりだ。

鉄道事業は公共性が極めて高いが、JRは民間企業であり西日本を含めた4社が上場を果たしている。収益力の向上を求める外国人投資家やファンドの目も厳しい。国鉄時代のような赤字の垂れ流しはもはや受け入れられる時代ではない。


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