2021年02月25日16時00分

2回目の緊急事態宣言によって建設業者がピンチ?ソラボ動向調査から見た建設業経営者がいま取るべき行動

資金調達支援を行う株式会社SoLabo(本社・東京都千代田区 代表・田原広一/以下、 ソラボ。 )は、 融資支援の実績に関する動向調査を実施し、 2020年4月~2021年1月の間での融資実行における「業種」の構成変動の調査結果を発表した。
融資支援サービスを提供するソラボでは、 中小企業および個人事業主の経営に関する動向をリサーチするため、 同社が融資支援を行ったうち、 実際に融資が実行された事例790件(創業融資は除く)に関して業種分類と推移分析を実施した。

本調査においては、 主に大手リサーチ企業等の実施するアンケートの対象になっていない既存小規模事業者(社員数:1名~数名、 売上規模:300万円~3千万円程度)をメインターゲットとし、 対象期間を「コロナ相談ピーク時期 2020年4~6月」「コロナ相談減少期 2020年7~10月」「コロナ再燃期 2020年11月~2021年1月」の3つに分類した。

今回、 各期間について業種別に融資実行割合をまとめたところ、 ソラボの調査対象の中小企業・個人事業主の融資動向の変化としては、 「飲食業の減少」と「建設業*の増加」が顕著であること が明らかになった。

*建設業には、 各種工事種別(土木、 建築、 大工、 型枠大工、 とび、 鉄骨、 鉄筋、 左官、 板金、 塗装、 内装、 防水など)を含む。



◆1回目の緊急事態宣言では、 ほぼ全ての業種に影響あり



ソラボでの融資支援実績を見てみると、 コロナ融資の相談ピーク時でもあった昨年4月~6月では、 建設・飲食・小売等を中心に、 事業者母数に比例するかのように万遍なく広がっている。

1回目の緊急事態宣言もあり、 飲食・理美容・その他サービス業等、 接客を要するサービス業関連が4分の1を占めていた。 建設業も、 この段階で4分の1弱と高い割合を示してはいるものの、 コロナを機に急増した状況ではなく、 後述の2020年後半に比べると特徴的とは言えない状況であった。

なお、 東京商工リサーチの2月8日付での発表によると建設業のコロナ関連破綻は昨年2月から低い割合で推移し、 11月までは10件以下となっていたとのことだが、 12月には19件に急増し、 業界全体でコロナの影響が遅れて出てきていることが明らかになっている。

◆コロナ融資ピークを経て、 建設業の増加、 飲食業の減少傾向に




夏以降、 建設業の融資実行割合が増加傾向にあり、 その一方で、 飲食・理美容・その他サービス業などは減少傾向がみられた。

1度目のコロナ融資がピークとなった4~6月に多くの事業者がコロナ関連融資を受けたことに加え、 経済活動の再開や、 GoToキャンペーンによる活性化が影響したためか、 このタイミングで接客を要する事業では、 「融資」という選択肢を検討する事業者が減少した結果であるとみられる。

なお、 情報通信関連は、 事前の情報収集を念入りに行う傾向が強く、 4~6月のピーク時には融資申請の混雑を懸念し様子見をする事業者が多かった影響もあり、 この時期に増加傾向となった。

一方で、 建設業には徐々に影響がみられ始めたのがこの時期であり、

「4~6月頃のコロナパニックの影響が時間差で生じていて、 売上げの入金目途が立っていない」
「コロナの影響で見込んでいた案件が流れてしまった」
「知り合いからコロナ融資というのがあることを聞いた」

といった相談事例が増え、 とくに小規模な事業者においては、 コロナ関連融資の認知が広まる中で、 売上げ減少、 現場停止などの影響をジワジワと受けはじめ、 今後に対する懸念が寄せられ始めた。




◆2020年末に近づくにつれて、 コロナ禍初期とは業種の構成割合が大きく変動




直近3ヶ月の構成を見ると、 メディアでは注目される傾向の飲食業が全体の5%を切り、 飲食・理美容・その他サービス業全体で見ても、 1割に満たない状況になっている。

一方、 この時期は建設業が3分の1以上を占めることとなった。
夏ごろの増加傾向がさらに増進し、 小規模な事業者においてコロナの影響が表面化している傾向にあると言える。

建設業経営者からの個別の相談案件の中では、 下記のような声が聞こえている。
「今後見込んでいた案件がなくなった」
「工事は行ったが入金が遅れており、 手持ち資金がなくなっている」
「自分で銀行に相談に行ったが断られた」

ただし、 中には「事業拡大を計画しているための融資」や「売上げ増大に伴う設備更新のための融資」など、 建設業の中にも前向きな相談もあることから、 一概に厳しいとは言い切れず、 事業者の状況に応じた見方も必要となっている。

◆建設業経営者に多く見られる課題
資金調達の現場で建設業経営者を悩ませているのが時代変化とITへの対応である。

建設業経営者の中には、 PCが使えないという経営者も多く、 WEBサイトを通じたダウンロード・アップロード、 売上データの集計、 メール添付ができないということは頻繁に起きている。

それらの支援も含め、 ソラボへの依頼が届くケースが増加傾向にあるが、 他業種に比べるとPCが苦手な人が多く、 昨今話題のDX化も末端の事業者にとってはほぼ無関係の話になっており、 今後建設業においては、 末端の事業者も含めたITスキル向上などは課題になると見ている。

◆融資にあたっての注意事項
建設業における融資の申請には、 業種独自に注意すべきポイントがいくつか存在するが、 準備が足りないまま金融機関に出向いてしまい、 残念ながら融資をそのまま断られてしまうケースも生じている。
下記、 一例だが建設業の融資審査にあたってのポイントを紹介する。

建設業用の資金繰りフォーマットでの資料作成
建設業では、 1つの案件の売上入金が、 受注から数か月後になるケースも多く、 実際に何月のタイミングで入金が発生するのか、 その一方で、 月末にはいくら現金が無いといけないのか?といった情報を事前に取りまとめておく必要がある場合が多い。 この準備を全くせずに相談に行くと、 返済計画が説明できないことが多いため、 金融機関指定の様式を事前に認識しておくことや、 依頼を受けたらすぐに準備することが肝要だ。

最低限の個人・会社の資料準備
個人事業主や中小企業の建設業経営者は、 代表自らが現場作業を担当するケースが非常に多い。 安全管理も徹底し、 体力・精神力を使う仕事が終わった後や休日に、 融資に必要な資料を準備することは苦労を伴うことも多く、 書類不備が多く発生しがちなのが現実だ。 書類不足は軽視されがちだが、 金融機関にとっては、 1つ資料が揃わないだけでも決裁が進められないことも多く、 自社の現状で必要な資料が何なのかをリストアップすることは最優先事項とすべきである。

追加融資や、 一度断られた金融機関であればかなり慎重に
コロナ関連での追加融資の審査は、 現在かなり審査がシビアになっている。 1回目の融資の資金使途や、 1回目にコロナ関連融資の際に申告した数字と現実の実績値でズレが無いかの確認次第ではハードルがぐっと上がってしまうこともあれば、 手持ち資金や見込み受注案件の状況次第では、 貸し倒れにならないように金融機関がリスク回避を優先して貸せないと結論付けることも増えている。 また、 既に最近融資申請を行った中で否決となっていれば、 次回の相談持ち込みは、 時期をずらして経営改善するか、 別の金融機関の窓口に行くことがベターということも多い。

◆ソラボでの建設業事業者支援について
ソラボは国の認定支援機関として、 企業経営者や個人事業主の資金相談に対応している。

「関わる経営者全てに感謝される会社」を理念に、 これまで3,700件以上の資金調達支援を実施し、 その内、 建設業の事業融資の経験は600件以上だ。
その豊富な経験をもとに、 現在増加する建設業の経営者からの融資相談に対応するため、 3月以降は建設業の相談に専門的な対応が可能な体制を作り、 事業者からの相談対応を開始する。

【会社概要】
会社名 : 株式会社SoLabo (ソラボ)
公式HP: https://so-labo.co.jp/
所在地 : 東京都千代田区外神田1-18-19新秋葉原ビル7階
電話番号: 03-6261-3512 (受付時間10:00‐19:00)


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